What's the beautiful world.


『お母さん、いつ帰ってくるの?』

『……帰ってこないよ。ホストに会いに行ってるんだもん』

いつかの旧い記憶。彼が不安そうな弟にそう答えた通り、その日母が帰ってくることはなかった。

新調した衣装の合わせをするために久遠は真新しいシャツやジレに袖を通す。
着替え終えて自室を出ると、先にリビングで待機していたRYO-YA、INORINが久遠の方に向き直った。

「それ、眼怪我したのか?」

「そんなわけないでしょ、アクセだよ」

「久遠さんカッコいいです~! 店に来るシェーン達も喜んでくれますね」

INORINはそう言って目をキラキラさせながら無邪気に久遠を褒め称えたが、薔薇のモチーフを使った眼帯も、三人揃いの学生服風の衣装も、凝ったアクセサリーもすべて、ホスト・神水鶴久遠のためにグループの金で用意したものだ。世界一憎んでいる組織で、母を狂わせた職業で成り上がるための戦装束に過ぎない。

(これがお遊戯会とか、学校の文化祭とかだったら、もっと楽しかったのかな)

でも、だからこそ、久遠は衣装にこだわる。店の世界観を追求し、自らをその世界の王子に仕立て、完璧な別世界をそこに築いていく。きらびやかな世界も、衣装を着せてくれる両親も、それを楽しめる青春も、端から久遠たちには与えられていないのだから。

「ああ、ぼくの楽園(ルビ:ヒメル)に相応しいだろ? きっとフロイラインも気に入ってもっと会いに来てくれる」

片目を塞いだ世界はいつもより狭く、華麗に見えた。

CHARACTER

新世紀を創造する奇跡のフェイスニュージェネシス

神水鶴 久遠

KAMIZUKI KUON

CV. 広瀬 裕也

CLUB「ヒメル」のNo.1。兄弟で運営している。
独特な発言でカリスマを発揮する、ヒメルのスター。ホスト時は王子様然としているが、基本無口で塩。おまけに少しオタクな厨二病でムッツリ。元ヤンキーという噂もあり、喧嘩が異様に強い。根は優しく店と客のことを大切に思っているが、身内や兄弟以外には冷酷になることも。

CLUB「ヒメル」所属

誕生日

4月10日

年齢

25

身長

173cm

体重

58kg

血液型

A

月収

¥100,000,000

趣味

ソシャゲ全般

好きな食べ物

カルトッフェルン(=ポテト)

嫌いな食べ物

ツィトローネ(=レモンなど酸っぱいもの)