There's no place like home.


『そうやって愛想を振りまいて、どれだけの人を誑かしたんだ?』
『最低。イノリのこと信じてたのに』

人間は、勝手だ。勝手に好きになって、勝手に嫌いになる。
勝手に自分のものにして、勝手に手放す。
最初は怒ったりもしたけど、そのうちどうして、って考えるのも嫌になった。

「……昔のことは、忘れなきゃ」

昼も近い朝、INORINはリビングで日課の柔軟ストレッチをしていた。
何年も前に暮らしていた家の人間にバレエを習わされたために覚えたものだったが、ふとした瞬間に当時がフラッシュバックする。行く先々で人間関係が拗れて、何度も居場所を失ってきた。このストレッチを教えてもらった家でもそうだ。そして居場所を転々とし、今はホストクラブで働く兄弟の元で暮らしている。

カタン、と玄関口の方から物音がした。RYO-YAだろう。ここ最近監視の目を盗んで外出しているのをINORINは何度か見ていた。久遠とRYO-YAの事情は複雑だ。この暮らしから抜け出すために何か企んでいてもおかしくはないが、それを突き止める勇気は、INORINにはなかった。

(僕はまだお店のNo.3で、久遠さんやギルガメッシュさんみたいなNo.1には敵わない。でも、一番のホストになったら、きっと……)

(ぼく、久遠さんやリョーさんよりも頑張っていいですか?
……もっとフロイラインと過ごしたい。ここに、ヒメルに居たいです。それが、ふたりの望みじゃなくても──)

関節ひとつひとつに力を込めながら、天使と呼ばれた青年は小さな決意をした。

CHARACTER

見上げてみろよ、
空から落ちて来る天使を
エンジェル

INORIN

INORIN

CV. 天﨑 滉平

CLUB「ヒメル」のNo.3。
色白細身、その圧倒的な美貌から天使と呼ばれている。
複雑な家庭環境で、かつて行き場がなかった時に、久遠たちに美勢で拾われた。威勢が良いが実力が追いつかない為、犬扱いされている。屈託がない笑顔が特徴で、人懐っこく、懐に入るのがうまい。No.3と、自分が一番下であることにコンプレックスを抱えているが、一生懸命ご奉仕するワンコ感が客にウケており、年上の太客が多い。

CLUB「ヒメル」所属

誕生日

10月4日

年齢

21

身長

170cm

体重

60kg

血液型

O

月収

¥50,000,000

趣味

映画(古い映画)

好きな食べ物

チョコレートムース

嫌いな食べ物

大葉(というか葉っぱ)