The rotten apple injures its neighbor.


ネオバサラの店の奥に社が入ろうとすると、第二〇代将軍・皇麗夢が誰かと通話していた。開いた襖の隙間から「入るぞ」と目配せをすれば、顎で了承の合図を返される。それは長年……と言ってもそこそこの付き合いではあるが、決して短くはない時間をともに過ごしたふたりの慣れたアイコンタクトだった。

「……そうかい、報告ありがとう。いや、今は何もしなくていい。特にヒメルの方は何をするかわからないからね、引き続き情報収集は頼んだよ。じゃあ」

麗夢が通話を切ると、重たく息を吐く。内容から相手が”蛇”であることは察するに難くなかった。話していたのは大方トロイメライグループのヒメルに在籍するホスト・RYO-YAの事だろう。

「連中に何かあったのか?」

「いや……ここのホスト達は誰もが腹に一物抱えてるのが、段々見えてきただけだよ。おイタが過ぎるようなら、この街から出て行ってもらわないといけないからね。……この前バサラに紛れ込んでたやつみたいにさ」

社の問いかけに答えながら、麗夢は部屋の隅に挿してある桜の枝から枯れかけの花びらを1枚千切った。美しく咲く花にも異分子は紛れているという事か。先日、結局口は割らなかったがどこかのすじ者であろう人間が、ホストのふりをして入店を希望してきたのを追い出したばかりだった。

「あまり悠長に構えてられないか……なあ、お前が摘まんでる桜の花びらが爪に見えてきたぞ」

「ふふっ、爪を剥いだりしなくて済むようにこうして頑張ってるんじゃないか」

麗夢は部屋の窓を開け、花びらを外に向けて吹き飛ばす。
軽口を叩きながらもその花びらが地に落ちるのを見つめる麗夢の視線は、どこか物憂げだった。

CHARACTER

神をも参勤交代させる第二〇代将軍

皇 麗夢

SUMERAGI REIMU

CV. 豊永 利行

CLUB「ネオバサラ」のNo.1、第二〇代将軍。
美勢の将軍、といえばかつてはホスト界の頂点であり、街では知らぬものは居ない一番の有名人。「貴仕道(きしどう)」と呼ばれる、ネオバサラ独自のホスピタリティを持つ。ハーフで特徴的な髪色、軽薄な雰囲気と真逆で、義にとても厚い。酒が無尽蔵に強く、明るく誰にでもポジティブに楽しませる。義理と人情を愛すが、非常に計算高い側面も持つ。

CLUB「ネオバサラ」所属

誕生日

1月17日

年齢

23

身長

181cm

体重

70kg

血液型

B

月収

¥100,000,000

趣味

酒を飲むこと、祭り

好きな食べ物

駄菓子全般

嫌いな食べ物

にんじん